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お志事インタビュー#2 【おもてなし料理の鉄人・CROSS Tokyo 総料理長】増山明弘さん

こんにちは。

NPOソーシャルエデュケーション協会 代表理事/資格・社会教育開発アドバイザー 岡 志寿子です。

 

今日は、資格講座をご一緒しているビューティーフード協会の講座に、ゲスト講師でおいでいただきました【おもてなし料理の鉄人・CROSS Tokyo 総料理長】増山明弘シェフのお志事について伺いました。

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70歳になった時、あんな「かっこいいおやじ」になっている

 人気を博したテレビ番組、「料理の鉄人」。

高2の時に観たのは、料理に打ち込む「おやじ達」のかっこよさ。

 料理する姿が、とにかくかっこよかった。いい歳のおやじなのに、なぜあんなにかっこいいんだろう?自分も歳をとった時、はげて太っているかもしれないけれど、何もしなくてもかっこいい、そんな料理人になっている」と、心に決めた。

 それまでスポーツに打ち込んでいた情熱を、料理へと180度転換。

お寿司屋さんでバイトをはじめ、自宅で実験さながら、日々料理にチャレンジするように。生まれて初めて作った料理「さばの味噌煮」は、今も十八番。

 料理の専門学校を卒業後、初めて料理人として就職したのは、あの「料理の鉄人」坂井シェフが初代料理長を務めた当時赤坂にあった「ジョン金谷」。

 和とフレンチを融合させた、多くの著名人にも愛される一流店。毎日、高級な食材、一流の職人の中に身を置き、料理の懐の深さにますますのめり込んでいった。

 

 料理と向き合うのに、時間も体力も限界を作らない

 体力には自信がある。

 「もっとできる。まだまだできる」

 料理の道を究めるのに、体力も時間も限界を作らないのが増山流。

 板場が変わる前には既にその場ができるよう、他店でただ働きをして修行した。

 当時、荻窪にあったフランス料理店に皿洗いから入らせてもらった。

その時のシェフは、今でも尊敬する大師匠。

とにかく恐かったが、その姿から学ぶことは多かった。

 

荻窪のシェフが作っていた洋菓子に興味がわいた。自分でお店を持ちたいと思っていたので、菓子の世界も知りたいと、フランス菓子店に転職した。

 

本場フランスで、吸収できるすべてのものを

 その後、再びフランス料理の店に戻り、副店長をしていた店が閉じるのをきっかけに、27歳で渡仏。ブルゴーニュからシャンパーニュへ半年ずつ、本場フランスで1年働いた。

 「当時の月給が3万円。そんな中で2万円の店にも行きました。食べるだけではもったいないので、各料理について細かくノートをとり、レシピを聴き。料理人だとわかるようにして、厨房に入れてもらい、更に多くのことを見聞しました」

 料理の知識や技術だけでなく、お世話になったシェフ、街の独特の色合い、食卓の風景と、その後の料理の世界感につながる財産が、たくさん詰まった1年に。

  

もっと食べる人を健康にしたい。そしてハーブと出会う

 増山さんと話をすると、その料理の追求心は、とどまるところがない、と感じる。

 それは、どこまでも食べる人を喜ばせたい、その一心に尽きる。

 帰国後、2店のフレンチの料理長を経て、千葉の「大滝ハーブガーデン」の料理長に就任。

 「先輩の紹介で見に行った時、ここでやりたい!との想いが押し寄せました。自然の海、山、風。その中でハーブは育ち、その恩恵を頂く」

ハーブの薬効は、食べる人の健康により寄り添えるもの、と独学で学んだ。

 フレンチという領域で、旬の野菜をふんだんに使い、オイルもバターの代わりにできる限り植物性のものを選んだりと、食べる人の健康への気づかいも、増山シェフらしいおもてなしの一面。

 鎌倉のハーブ料理研究家の方との出会いで、その奥行と幅が広がった。

 

お料理は会話

 「職人ですし、口下手なんで」

 よく言いますよ、と誰もが言いたくなる増山シェフ。

 「わざわざ来ていただいた方に、十分自分を表現し、会話をしたいというのが想いですが、なかなかそうはいきません。

 料理なら、言葉では表現できない部分まで、表現できる。

お料理は、来て下さった一人ひとりとの会話だと思っています

 休みの日も、気になる料理を食べに行き、ノートに絵やコメント、レシピを書きためる。

 1日のはじまりは朝食づくりから、電車の中では料理の仕事のやりとり、現場で料理のしごとをして、遅く帰っても料理本を片手に床に寝てしまう。更には、夢でも料理の仕事をしているとか。

 以前、寝ずに働き続けて、気が付くと倒れていたことも。

 

この人は、いったい?

 

「いきつくところは、食べる人を喜ばせたい。

ちゃんとしたものを作るには、手を抜かないほど、いいものができることを料理人は知っています。

 プロとして見えないところに手を抜かない。

 自分なりにやりつくす。

 そうするからこそ、後の喜びが生まれます。

 食べる人の喜んでくれる顔、食べてもらった後でいただく賞賛を知っているので、そこに苦はありません

  

料理の鉄人は、おもてなしの超鉄人

 お料理は、食べる人との会話であり、空間と一緒に織り成されるもの、という増山シェフ。

 

増山さんご自身、お店にいらっしゃっても、打ち合わせ中も、ご一緒している料理の盛り付け・スイーツ講座(ビューティ―フードコーディネータースイーツプロ)の時も、その場にいるお一人おひとりと、心地いい空間を織り成されます。

 食べる人の喜びだけでなく、健康まで気づかう気持ちから、「ハーブの魔術師」と称されるほどその薬効を追求したり、寝ずに知識を吸収したり、技術を磨いたり。

 とことん、人をもてなすことが好きでいらっしゃるんだなと、と感じます。

 「こうするともっとよくなると、発想がつきないんです。できるかどうか、アップアップでやり続けると、キャパが広がる。それを経験で知っているので、限界をつくらないでとことんやる。体力には自信があるので」

 70歳になって、もしはげてても太ってても、その存在はかっこいいと思います、間違いなく。

 

【増山明弘シェフ プロフィール】

1978年千葉県生まれ。華調理師専門学校を卒業後、都内有数のフランス料理店、パティスリーを経験しフランスに渡る。 ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方で修行をし、帰国。
2004年 神楽坂『フレンチダイニング』料理長に就任。
2008年 日本初のハーブガーデン『大多喜ハーブガーデン』料理長に就任。
2012年 六本木『CROSS TOKYO』料理長に就任。

www.cross-tokyo.com

 

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